この度成婚されたお客様からフィードバックをいただきましたので、それを元にミャンマー人女性と結婚した場合の手続きについて詳述いたします。
【2020年7月9日追記】
東京のミャンマー大使館で結婚証明書に準ずる書類が発行され、それを結婚証明書に代用できるという情報を入手したので追記しました。これができるなら配偶者ビザ取得のためにミャンマーに渡航する必要はありません。
まず、結婚手続きには、
- 日本で結婚を成立させる場合
- ミャンマーで結婚を成立させる場合
の二つのケースがあります。
-
日本で結婚を成立させる場合
この場合、手続きは(1)各市町村区役所への婚姻届の提出(2)入国管理局への配偶者ビザの申請(3)女性がミャンマー在住の場合は日本大使館への入国ビザの申請の三つから成ります。ちなみに行政書士の先生に依頼する場合、担当するのは(2)のみです。
(1)各市町村区役所への婚姻届の提出
必要書類は各役所によって対応が多少異なるので、事前に最寄りの役所にお問い合わせください。
- 両人に必要な書類として婚姻届と申述書がありますが、これは各役所に置いてあります(両方とも女性のサインが必要です)。
- 男性の必要書類は戸籍謄本のみです(現住所と戸籍地が同じ場合は不要となることがあります)
- 女性に必要な書類は①独身証明書の原本②ファミリーリスト(戸籍)のコピー③パスポートのコピーの三つです。それぞれB.A.R.LまたはB.A.B.L.と言われる公証弁護人が作成した日本語訳が必要です。翻訳者の署名と証明シールが貼られている正式のものです。
ちなみに現地の書類の収集は親族でも代行可です。特に女性が難民ビザの場合は一旦帰国すると二度と日本に戻れなくなる可能性があるので、親族の代行が不可欠です。
(2)入国管理局への配偶者ビザの申請
こちらも各入管によって対応が多少異なるので、事前にお問い合わせください。
基本、必要書類は①在留資格認定証明書交付申請書②日本人男性の戸籍謄本③ミャンマーの結婚証明書とその日本語訳④日本人男性の住民税の納税証明書⑤身元保証書⑥日本人男性の世帯全員の記載のある住民票のコピー⑦質問書⑧スナップ写真⑨写真⑩392円切手です。
③ミャンマーの結婚証明書とその日本語訳は後述するように原則ミャンマーで挙式を行った後にしか取得できませんが、役所に婚姻届提出後二人の名前は記載された戸籍謄本を東京のミャンマー大使館に送れば結婚証明書に準じた書類が発行され、それを結婚証明書に代用することができます。ただミャンマー大使館の対応は流動的なので事前に要確認です。
また⑦質問書には知り合ってから結婚に至るまでの経緯を書く箇所があり、二人で撮ったスナップ写真やSNSでの二人の会話のコピーなどを持っていくと有効です。
仮に申請が通らなかった場合は入管がその理由を教えてくれるので、その指示にしたがってまた必要書類を集め直します。
(3)女性がミャンマー在住の場合は日本大使館への入国ビザの申請
こちらなどを参考にして事前にヤンゴンの日本大使館にお問い合わせください。窓口には日本語がわかるミャンマー人の職員がいます。基本①女性のパスポート②ビザ申請書③写真④在留資格認定証明書(謄本と両面コピーを各一部)⑤ファミリーリスト(謄本とコピーを各一部)⑥国民登録書(謄本とコピーを各一部)が必要になります。受理されてから10日ほどで発行されるそうです。
2. ミャンマーで結婚を成立させる場合
手続きをスムーズに進めるためには(1)日本の婚姻届と(2)結婚式等の写真が必要になってくるので、結婚式の過程から順を追って説明いたします。
まず結婚式の費用についてですが、ミャンマーの結婚式は民族と宗教が複雑に絡み合っており、場合によっては披露宴を何回も催すことがあります……が、すべて付き合っていてはきりがないので、女性とよく相談して最初に費用の上限を決めたうえで事を進めるのが肝要とのことです。
(1)僧院での寄進と食事会
現金および場合によっては料理を作って僧院へ赴き、修行僧に食事を寄付し、祝福の祈りと説法をしてもらいます。この際、準正装が必要となりますが、部族によって正装のロンジ―が違って、 ビルマ族の場合はピンクのロンジ―が縁起が良いとされているそうです。寄進は修行僧の服(新品)と現金(エアメールの封筒に入れる)が主流とのことです。
その後、家族や親しい親族を招き食事会をします。あまり裕福でないミャンマー人は披露宴を行わず、これだけですますようですが、他のサイトに「ミャンマーの結婚式が10万程度で終わる」と記載されているのは、おそらく食事会しかやらなかった場合です。
そしてこの際、僧侶に寄付を渡している様子やお祈りをしている様子等をできる限り写真に残しておくことが肝要です。結婚証明書の取得に必要となってきます。
(2)披露宴
原則、僧院での寄進とは別の日に行います。
会場はホテルかレストラン、招待客は家族や親族だけではなく、友人知人からただの近所の人まで多岐に渡るそうです。ホテルやレストランのグレードは女性の階層により異なりますが、中級ホテルの場合は20~30万が相場と聞いています。服装については本人たちは正装ですが、日本人の参列者はスーツでも可、ロンジ―を着る場合は祝賀用のものを用意することのことです。
なお僧院で行う場合もあるようですが、エアコンがなくトイレ環境が劣悪なためお勧めできないそうです。
また披露宴ではご祝儀があるため引き出物の用意が必要となりますが、専門店を利用すると簡便。ご祝儀で5000チャット札の新札があった場合、取っておくとよいとのことです。後で使います。
(3)結婚証明書
結婚証明書二通を事前に用意し、裁判官の前でお互いにサインをし、立会人二人のサインをもらい、最後に裁判官の署名をもらうことで完成します。
女性が仏教徒の場合、その伴侶も敬虔な仏教徒であることが求められるので、その証明のために前述した写真が必要となります。
また外国人との結婚の場合は、ミャンマー人同士の結婚の場合と準備する書類の種類と部数が違うため必ず事前に確認することが肝要。ちなみに日本人男性側の必要書類はパスポートのみです。
さらに手続きをスムーズに進めるためには、部署が変わるごとに袖の下を渡す必要があり、この際先の5000チャットの新札が必要となります(縁起のいいお金とされているそうです)。ちなみにこのお客様は、最後に書類を作ってくれた裁判官には30万ks(約23000円)ほど包んだとのこと。書類に不備がなく袖の下が足りていればて手続きは一時間で済むそうです。
以上です。
新情報が入り次第、また加筆・修正いたします。
読んだらクイックお願いします↓